ネット同窓会で出会う
ネット同窓会を開いた
宮田さん(43歳・男性・既婚)は埼玉の高校卒業後25年が経っていた。いまでは都内の会社で働く中堅社員。妻と2人の子どもを持つ父親として充実した日々を過こしていた。人間、不思議なもので、自分の生活が一段落つくと昔の仲間を思い出し、「同窓会」を開きたくなる。宮田さんはちようどそんなときだった。同窓生といっても、もちろん会いたい仲間ばかりじやない。中には三度と顔を見たくないと思う人間もいるにはいるが、それはそれとして、だ。
では実際に同窓会を開くとなって、自分が幹事をしてもいいが、協力してくれる仲間を集めるのがたいへんだ。自分と同じように同窓会を開きたいと思ってる友が簡単にみつかるだろうか? 名簿どおりの連絡先で通じるだろうか? 25年も経っている分、不安材料は多い。
「難しそうだ……」重い腰を上げるまで、時間はどんどん過ぎていった。
そんなある日、ふと思った。これだけパソコンが普及し、インターネット人口が急増しているのである。いま43歳になった自分達の仲間だって、インターネットをしているのではないか? インターネット上で昔の仲間に会えることだって、あるのではないか? 宮田さんのそんな思いはヒットした。「同窓会サイト」である。
早速登録を済ませ、宮田さんは掲示板に投稿した。同期の仲間がすでに数人登録をしている様子がわかった。《あの頃》を思い出し、名前を憶えている人を探してみると、いたいた― 同じクラスで仲の良かった友人の名前、笑顔が素敵だったハンドボール部の女子の名前、女子は苗字が変わってはいるが、( )で旧姓が入っているので助かる。みんな宮田さんと同じように、音を思い出し「どうしていますか?」という呼びかけをしている。「これだ!」宮田さんは思い切って、個人宛メールを送ってみることにした。久しぶりだ。書きたいこと、書かなければならないことはたくさんあるような気がする。
しかし最初のメールから長文も失礼かと思い、「同窓会をしたいと思っていた」
という肝心の言葉と、このサイトをうまく使うことはできないだろうかという相談をした。掲示板の友からは「協力したい―」というありがたい言葉とともに、40歳も過ぎると遠方に引越したり生活の都合ですぐにどこかに集まることはできないかもしれないので、「まずはこの母校サイトでみんな集まらないか?」「連絡をとって、インターネット上で同窓会ってのはどうだろう?」という提案があったのだ。もっともな話だ、宮田さんは早速連絡がとれる数人の友人にこのサイトの案内を送った。友人から友人へ、サイト入会者はどんどん広がっていった。
今日も母校同窓会はネット上でおこなわれている。参加したい人ができるときに、自宅のパソコンからアクセスできるので嬉しいという声も聞く。来春くらいには、みんなの都合のいいとき、いい場所で「オフ会の同窓会」を開こうと宮田さんは思っている。そう考えると、あの頃声もかけられなかった彼女がどう変貌しているか、アイツの頭はもう薄くなったか、音信不通のアイツはいったい生きているのか、そんなことが気になって仕方がない。
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2011年9月22日 | コメント/トラックバック(0) |
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